森見登美彦 角川書店

帯に「2007年本屋大賞ノミネート作品!」って書いてあるわ、結構な人数の方が煽りを書いているわで気になり、表紙の絵柄がエキセントリックに可愛くて気になり、で購入しました。読み始めたらまぁ大変独特な世界観。ちょっと特殊な芝居を観る時その舞台に入り込むまでちょっとした時間がかかるように、この話も中に入るまでちょっとコツがいりました。でもね、これが可愛い感じでいいのよとても!基本的に主人公の女の子と彼女に一目ぼれした先輩の話なんだけど、女の子がえらく浮世離れしててねぇ。周りのキャラクターもそういったズレがあるのでそのへんの不思議ちゃんな感じがかわいい。お話自体もわけがわからないんですけど、その雰囲気に押し切られて面白く感じちゃう。(でもその境地に至るまで割と時間がかかる・笑)最終的にはうまいこと気持ちが伝わるようになってます。なんつーか、ライトノベルなんだなこれ。最近ライトノベルで出して多様な作品をハードカバーで出しちゃうのって流行りなのかしら?私は嫌いじゃないけど、もっとがっつり文章を読みたい人は拍子抜けしてしまうかもしれません。あとは値段がなー…ハードカバーってどうしても高いから、この値段でこれかよ!って思われるのは否めないなぁ。

七つの黒い夢

2007年2月15日 読書
乙一 恩田陸 北村薫 誉田哲也 西澤保彦 桜坂洋 岩井志麻子 新潮文庫。

ホラー短編オムニバス7編。どの人も聞いたことのある、というか読んだことのある作家さんでどれも期待大。でもこれだけ並んじゃうとわかりますね!文章や構成能力のような実力の差が出るねぇ。さすがと思ったのは北村薫。これだけ短い話なのにきちっとまとまっているし、余分も無ければ不足も無くリズムもいい。最後ぞくっとするようなオチが用意されてて、ストーリーとしても一番出来が良かった。逆におや?と思ったのは西澤保彦。設定はいいのに、読んでいる途中で「…よくわかんない」って彷徨っちゃう。文章的に何かが足りないんですね。岩井さんのホラーは結構好きなんですけど、オチちょっとわかんなくて残念。乙一をトップにもってきているということは彼の名前で売ろうとしたんでしょうが、相変わらずの日常寓話みたいな雰囲気で私は好き。彼の文章は、読後にざらっとした感触を残すのが面白い。恩田陸はほんと当たり外れが多いなぁ。これは外れ。誉田哲也の作品はおそらく初めて読みまして、ホラーというよりファンタジーっぽかった。桜坂洋さんも初めて読みましたがライトノベルだねこりゃあ。
なかのZERO・小ホールにて。

「徳ちゃん」柳家喬之助:喬之助さん!あなた!真打になったのに前座!?なんとお得。この話は喬太郎さんで聴いたことがあってかなり笑った記憶があるのですが、何故でしょうそこまでではなかった…ちょっとリズムが悪い感じがしてしまいました。
「転宅」柳家喬太郎:阿呆の泥棒がカワイイ。きょんの女性は真似たくなるんだよねぇ。Sさんいたら絶対に真似してたね。枕で古典の小噺をいくつか披露していて、「古典サイコー!」って盛り上がってはりました。しかもその台詞で場内爆笑。
仲入り挟んで「ミニライブ」ペーソス:4曲全部新曲でした!!(爆笑)ああおもしれえ。今回ペーソス専属司会の方はそれほど出張るチャンスがなかったのですが結構カミカミで(笑)ああそれにしても面白い。
「鬼背参り」柳家喬太郎:うおおおおおこおおおえええええええ(涙)これは初めて聴きましたが、こういう噺をきょんで聴いたのは久しぶりで、心構えもなかったのでほんとにほんとに怖かった。鬼になってしまった女性の本来の優しい心とか、駄目な若旦那の改心とか、切なくて泣ける。しかもなんとなくですが、ちょっとげっそりしてたよね…?前回もっとパンパンだった気が。いやあのお腹は健在でしたけどね(笑)
菅野文 白泉社 花とゆめCOMICS。

買っちゃった…(笑)巷では結構評判で、気になってはいたのですが突然本屋から姿が見えなくなり、久しぶりに出会ったので思わず買ってしまいました。そしたら第2版でやんの!たった20日ぐらいで2版!人気あるよなぁ。内容はすっごい男らしいと思われている剣道部主将・飛鳥が実は可愛いものが大好きで、誰より乙女(名付けてオトメン)であることをメインにしたコメディ。当然かわいらしい女の子も出てきてでもどっちかっつーとかなり男らしくて、更に当然なんですけど家事と称する物事は何も出来ないわけよ。そんな女の子に飛鳥が一目惚れしちゃったもんだからさぁ大変。いかに男らしさをキープしつつ、自分らしさである乙女チック大好きな性格をどうするか!?それと平行して、明日香の友達が実は飛鳥の大好きな少女漫画の作家であった!というびっくりを織り交ぜて、すごくペースのいいテンポの速い漫画になっています。テンション高いからなぁ。これがどこまでもつかだな。
中島らも 集英社文庫。

Sさんより随分長い間お借りいたしておりました。有難う!何でそんな長い間借りていたかというと、ネタがないと嘆く私にネタ提供としていつも本を貸して下さるのですが、「うーわ、中島らもか…」と食わず嫌いのように反応してしまい、他の本ばっかり読んじゃってたんですな。しかも3冊もあるんで終わらねぇ終わらねぇ。でも1冊目乗りきったらあとは意外にさくっと読めてしまいました。しかも面白かった!主人公は大学教授のおっさんなのですが、ベースにあるのはアフリカの呪術で、新興宗教やマジシャン、超能力少年が絡んで、当然酒も麻薬も登場して、最終的には殺人事件にまで発展するという流れ。そういう不可思議なもの全部詰め込んでごった煮にしてある。最後ファンタジーというかスペクタクルというかな展開なので駄目な人は駄目かもしれん。私はそんなんばっか読んでるので(笑)むしろそこへもっていくまで学術的に呪術へ迫っていくのが知らない知識を吸収できて楽しかった。らもさんの作品は前回読んだ時に「こんなもんだろ」ぐらいにしか思えなかったのですが、これ読んだらなんとちゃんとしていてなんと巧いことか!そういう意味でもびっくりした。
2006年 日本。

観たくて観たくて、でも買うには高すぎてこーまったなーと思っておりましたらKさまMちゅーPちーが誕生日に買うてくださいました!!マジで本当に感謝します!有難う有難う有難う!!!泣くほど嬉しくて、時間のあるときにゆっくり観ようと3連休まで持ち越して、ようやくどっかりと腰すえて観ました…がなんとこれがかなり入り組んでいて初見では感想が述べづらい(笑)まだ一回通しで観ただけなんで表面的な感想になっちゃいますが、とにかくもうカッコイイ。少佐が抜けてから2年、公安9課は組織として少しずつ拡大しており、バトーはそれに違和感を覚えてる。相変わらず事件勃発は続いていて、4つ5つの事件が入り組んだような問題が立ちふさがってくる。そこに少佐が登場してくるわけなんですが、もう出てきた途端に元の9課なんですよ。少数精鋭の。台詞回しもいちいちかっこいいのよ…!「いつだってそうしてきたじゃねぇか」とか「ゴーストの囁きにね」とかああたまらん。しかし100分強ですすめるにはストーリーが莫大過ぎて無理矢理感が否めず、これは3rd GIGとしてシリーズ化したほうが良かったんじゃ…?と思いました。NISSANと組んで実際の車出したり、展示用にほんとにタチコマ作ったり、やることがニクイねぇ。
大和田秀樹 角川書店 角川コミックス・エース。

ああ…やっぱ続きも買わなあかんか…と半ばあきらめて購入。つぎの巻ってあんた、3巻はどうするつもりなのであろうか(笑)途中までは全巻と同じようなたらたらした4コマで「うおお(飽きちゃって)読むのがつらくなってきた…」と思っていたのですが、「ザクさんの章」が始まったら面白いでやんの!隊長がザクさんでね、最新型のゲルググとかドムとかが部下なんだけど従わないわけよ!そうそう、てゆーかその前に前提として人間が乗ってる設定ではなくてMS自体が擬人化されているんだけどね(爆笑)なんかザクさんがかわいそうなのよ!皆から馬鹿にされてさ、でも中間管理職だから上官(ビグ・ザム。しかも女性)からも「ザク系はグズなんだから」とか言われて、「隊長って…小さい頃思ってたのとだいぶ違うや…」ってたそがれるの!切な!(笑)おお振りの三橋みたいにめちゃくちゃ腰が低いのよ。「いやいや僕なんてそんな!隊長だってたまたま上の人間がいなかっただけで」みたいな。そんなザクどうでしょう。私は好き。かなり(笑)
魔神ぐり子 一迅社 ZERO-SUM COMICS。

だ、大丈夫かこれ?こんな適当なもん出しちゃって一迅社お前…!(笑)作家と担当編集者の日常を4コマ漫画とか普通の漫画にしました、ってことなんですけどまーたこれが適当な感じでよう…!おりゃあ漫画家さんの知り合いいるから多少お話聞いているけどこんなやつに連載させるぐらいならあの真剣に漫画描いてる人にページ割いてあげたいよ…でもこういう適当にみえて実は結構練りに練ってますよ、な漫画の方が読者がつきやすいのであった。ううむエンターテインメントって難しい。ただ私は、ちょっと期待したタイトルだった割に全然面白くなかったのでがっかり。なんかもっとどろどろしたの期待しちゃったよ(笑)というかあまりにもレベルも気合も同人と変わらないので、ちょっとお前プロだろ、とか思っちゃったよごめんね。最近垣根が低すぎてなーんかなー…。
大和田秀樹 角川書店 角川コミックス・エース。

表紙のやさぐれたシャアが気になってしょうがなくて、でも買うほどじゃないきっと、と思って我慢していたのにもかかわらず、やはりあまりのネタのなさに衝動買いしてしまい、やっぱり買うほどじゃなかったと後悔中の私です…(笑)いや面白くなかったわけじゃないんですよ!ガンダムネタ4コマがひたすら並んでいて、しかもどっちかっつーとなっさけないシャアネタが多くて可愛くて好きなんだけどでももうちょっとなんとかならんかこの絵柄の雑さは。表紙にある程度気合いれりゃあいいってもんじゃねぇぞ、と思っちゃうんだよ…まぁこれがこの人の精一杯という可能性もあるんだけどさ。アッガイさんは面白いね!アッガイ谷ってまた凄いね!全部のキャストがアッガイなの(笑)しかしこのくだらないパロディ漫画の巻末に池田秀一さんのコメントが、しかも大層長く語っていらっしゃるのがびっくりで、また内容が大変におざなりで(笑)ああ、無理矢理感満載だわ…としみじみしてしまったのでありました。

図書館危機

2007年2月7日 読書
有川浩 メディアワークス。

おもしろいおもしろいおもしろーい!いやあやっぱおりゃあこのシリーズ大好きだ。凄い勢いで読んじゃいました。「図書館戦争」「図書館内乱」に引き続く第3作目、今度は前半が痴漢事件で、後半が水戸図書館に出張。本格的な戦闘になります。それに合わせて郁の王子様事件や両親との確執事件、手塚の家族関係等今まで伏線として引かれてきたごたごたが一つ一つ解決していきます。手塚の家族に関してはまだ時間がかかりそうですが、柴崎との関係が出来上がってきていて面白い。小牧は今回痴漢事件でメインを張っている割にいまいちインパクト弱かったかな。郁と堂上教官との関係は、王子様が堂上だったことが判明してから微妙に変化、というより、郁が乙女でとても可愛い。二人の微妙に近くてでも常に喧嘩腰なところが未熟でたまらん。あとがきで「活字でベタ甘とか痒いとかこっ恥かしいとか好きなの私だけじゃないよね!?ね!?」と叫ばれておられましたがその通りだ!私はこういうの大好きだ!君は世界に一人じゃないぞう!(笑)そしてこのシリーズ、もう一冊続きますとのこと。そうか第4作目で終わりか。楽しみだけど残念。

クジラの彼

2007年2月6日 読書
有川浩 角川書店。

短編6本で、相変わらず自衛隊関係ですが全てベタ甘恋愛もの。「海の底」のスピンアウトものが2本、「空の中」のものが1本。タイトルにもなった「クジラの彼」は前者になるんですが、Saちゃんに「B級映画…?」と疑問視されたけど読んでおいてよかった!(笑)すっごいいい話でしたよ!!「クジラ」は潜水艦のことを彼女が喩えて言うんですけど、そういうポイントがたまらなくかわいいと感じて付き合い始めた二人の超!長距離恋愛。片方が潜水艦乗りだといつどこで連絡が取れるかわからんという。私こういう恋愛ものは大好きよ!他の作品もそこそこいいんですが、クジラが一番好きだなぁ。なんちゅーかこの、大事にされてる視線とか空気とか感じるの好きだ。そういうのって本当に不意に感じて幸せになるものだよね。恋愛って家族じゃないからさ、契約じゃないから、お互いの気持ちだけが拠り所でそこをどこまで信じられるかで決まっちゃうから、小さい仕草だけで愛情を量ったりするんだ。本当にほんのちょっとの言葉で浮かれたり傷付いたり、するんだ。

KさまMちゅーPちーAちーKよちゃんSaちゃんTさんUさん本当に有難う!!Kさまのメッセージカードは泣けたよ…!
原作:新海誠 漫画:佐原ミズ 講談社 アフタヌーンKCDX。

うおおおおお…いいぞめっちゃくちゃいいぞ…。アニメを観る前から表紙の綺麗さにちょっと気になっていたこのコミックス、アニメを観ちゃった後は「中身が良くなかったらイメージが傷つくな」という怯えで読んでいませんでした。今回あまりのネタ不足に「ええい、買うてまえ!」と勢いで買いまして、でも良くなかったらイヤとあまり心を込めずに読んでみたらあなた…!滅茶苦茶いいじゃないですか…!原作映像はたった30分ですから、漫画の方は少しずつオリジナルな事実が足してあったり、オチがちょっと違ったり(私はこのオチは非常に好きですが、きっと駄目な人は駄目だと思うのでその後を知りたくない人は読まないほうが良い)して、でもそれがまたより切なくって泣ける。何回かマジで泣きそうになった。ミカコのメールは本当に切ないよ…アニメではそんなに出てこなかったノボルくんの葛藤もきっちり感じられて、私はかなり満足でした。しかも多分この佐原さんって私の大好きな夢花李さんでは?どう見ても同じ絵面なんだよ!結構嬉しかったよ。ああもっと早くから買っとけばよかったよう。

あなたと私の距離は8光年。
伊坂幸太郎 新潮社。

楽天で検索かけてみたら出てるし新作!ってなわけで慌てて購入。やばいなぁ本屋さん行かないと。(<いや毎日行ってはいるんですがね。)最新書き下ろし含む短編4本。本自体のタイトルになっているだけあって「フィッシュストーリー」が一番良く出来ていたように思います。というか多分好きなんだな。声を気持ちを届かせる話って好きなんだ。新海誠の「ほしのこえ」もそこが一番のツボなんで。ええと結局ね、色んな作品の番外編という感じで、他作品での脇役が中心になっている話なんです。「動物園のエンジン」はいかにも初期の伊坂らしい若干ファンタジーの話で割と好き。しかし私、最近(?昔から?)脳みそ全然動かないので、どの作品で誰が出てたとかこの人この雰囲気覚えてるとか、そういうセンサーがいまやさっぱり止まってて、この本の中自体でも繋がっていたり関連させてあったりと色々芸が細かいんだけど、本当に申し訳ないことに全くひっかかってこなくて、これはもういっぺん読み直さないといかんなと、思っておりますんでSさん少々お待ちください。
奈須きのこ 講談社ノベルス。

大阪に遊びに行ったとき、それはそれはたっぷり時間があるというにもかかわらず家に本を忘れ(苦笑)もうこりゃあ買うしかない、しかもなるべくなっがいやつ、ということで書店で探索。「同人小説から講談社ノベルス化へと成就した伝説的作品」「映画化決定!!」との文字にぐぐっとひっぱらられて購入。あれですね、いわゆるTYPE-MOONの作品ですね。私はゲーマーではないので、彼らの作品にまともに触れたのはこれが初めてです。もうもういっかにも!ですよ。いかにも同人っぽい仕上がり。西尾維新と空気感が大変似ていますがあそこまで振り切れてはいません。どこか常識は残しつつ、でも、綺麗な女の子で和服で皮ジャンで、男の子はどこかぼんやりしてて冴えなくてでも芯は強い(黒桐くん…コクトーくんなんだけどどうしてもクロキリくんと読んでしまう私)という、「ああもうこんなんどっかで読んだし!」みたいな設定はがっつり抑えてある。内容もファンタジーなような怪奇なような、一応煽りには「新伝綺」とありますな。まぁそれが一番的を得ているかな。がんがん人は殺されるし不思議な世界が沢山混じるし、合わない人は合わないでしょうがヲタは皆許容範囲内であろう、そんな作品です。
久保帯人 集英社 ジャンプ・コミックス。

さーあさあさあ、とうとう26巻ですよ!どこまで行くのかどんな話なのか毎回もうさっぱりわからなくなってますよ!(笑)みなさんそれぞれが自分のレベルを上げるために修行をなさってまして、そんななか織姫ちゃんだけはどうにも攻撃力の椿鬼君が復活せず、皆と一緒に戦いたいのに足手まといになるからと置いていかれる。そもそも闘い向きの力じゃないんですね。でも織姫は何とか15の力になりたくて悩み、ルキアとともに修行を始める。一方愛染隊長率いる「破面」の現世への登場はもっと先だと思われていたのに、そうは問屋がおろさねぇぜだんなってな感じで次々戦いへ。ああもうしっちゃかめっちゃかですがな(笑)登場人物が多過ぎて、主人公の15は完全に霞んじゃうし誰をメインで読み進めたらいいのかわかんなくなっちゃってるしイヤハヤ。途中まで爆発的に面白かったんだけどなぁ!どの辺からかもうよくわかんなくなってきちゃったよ…記憶力ないんだもん俺…。でも頑張って最後まで買うよ!だってかっこいいんだもん!!(そんだけかい・笑)
富士山ひょうた 株式会社フロンティアワークス ダリアコミックス。

おお久々BL!もうなんかさすがに気持ち悪く思えるようになったぞBL!(爆笑)ひょうたさんには珍しくがんがんエロの入った話になってます。高校の頃に一目惚れし、でも男同士だから…とお互い遠慮しあったまま片方が転校、連絡できないわあらら、って感じだったのに社会人になってから偶然遭遇。またもやお互い恋に落ちて、さぁどうする社会人、みたいな(笑)二人がうまくいったらうまくいったで邪魔をするやつがきっちり出てくるわけです。またその邪魔するやつっつーのが明石昌夫みたいな!(これがわかるのは今やきっとKさまだけだ・笑)なんつーんですか、昔付き合ってて、今はいい友達なんだけど微妙に気持ちも残ってて、親のような愛情もあって、みたいなさ!ああ手におえねぇ!(笑)そういうやつがまたかっこよかったりするのよ。主人公カップルは思う壺で振り回されちゃうんだけど結局つながりが強くなってどうも有り難う、みたいな。しかしBLっつーのは少女漫画としてとことんありがちな構成なのにどうしてこう心を揺さぶるのかしら。
菅野彰×立花実枝子 新書館 UN POCO ESSAY SPECIAL!

新宿のアイランドタワー内本屋さんでふうらふうらしていた時に発見、タイトルにひかれてその場で携帯の楽天へアクセスし購入(本屋で買えや・笑)いたしました。身近に存在する開いてんだか潰れてんだかわからない飲食店へ果敢にチャレンジ、11軒行って生きてたのはなんと3軒もあった!(爆笑)しかも一軒は寿司屋だっつーのが凄い。この寿司屋行きたい。マジで。でもやっぱ勝率としては3割切ってますから、ヤバそうな店は本当にヤバイことが多いということですな。こんなにひどい店ってあるんだなぁ本当に…昔Sさんに聞いた店思い出すなぁ(笑)さて本の中身は4コマ漫画で綴られているのかと思いきやあまり漫画はなくて、文章の方が多いです。ちょっとそれは残念。やっぱ漫画の方が臨場感あるしわかりやすいから伝わりやすいんだよね。文字は頭の中で映像に切り替えるという作業があるから体験レポートものだとなかなか難しい、と思う。企画がとても奇抜で良いので充分面白いんですけどね!
森博嗣 集英社。

図書館です。読もうかどうしようか迷って、ちらりとページをめくったら「あ、これ絶対にさくっと読めちゃう」と思って借りて、案の定さっくり2時間弱で読破。ストーリーは、買った覚えがないんだけど棚の奥から発見した賞味期限ぎりぎりのインスタントラーメンをお腹がすいているので食べて、男性は女性に、女性は男性になっちゃうというショート5本。まぁ普通に面白いわ、と思いながら読んでいて、完全に油断しておりました。最後の話でまさかそんな風にくるとは!なるほどここの話で引っ掛けるためのそれまでの4本だったのね!とびっくり。さすがだ森さん。普通のショート集だったら「続く」ぐらいの感じで普通に終わってたでしょうに、ちゃんとネタをひねってくるあたりはなかなか素晴らしいね。お話的にもとても同人っぽくて私は好きな世界です。あああの優しい世界が私にはまた必要になっているかもしれない。最近また同人から出てきているような作品ばかり気になって買っちゃってたりしてますよ。
町田康 角川文庫。

Sさんよりお借りいたしました。有難う!町田さんは芥川賞も受賞している方で、随分前に芥川賞好きな方から「よくわからない小説だった」と感想を聞いていたので手が出ませんで、昨年Piperがこの本原作の舞台を創ってやってるのは知ってたんだけど観にも行かなくて、てな感じで縁が薄いのです。読んでみたらびっくりわけわかんないんだけどこれが結構面白い(笑)最初は普通の時代劇もの調で始まるんだけど、数ページで急に「てゆっかさぁ」みたいな現代口調に。江戸時代なんだか現代なんだかそういう時代背景はすっこーんと無視して、ただ設定だけ借りてまーすなノリです。ストーリーも全然はちゃめちゃなんですけど面白さに勢いがあって展開が早いので「まぁ別にいっか」ってなっちゃう。芥川賞受賞作家なのになんですかこのフランクさは(爆笑)普通は純文学煮詰めていくんですけど、てゆーかそういう人が多いんですけど、だから食えなくなったりするんですけど、この人は絶対大丈夫だね(笑)これ舞台面白そうだよ!何で私行かなかったかなぁ勿体無い。なんつっても創ってんのがPiperだから、この世界観に抜群に合いそうなんだよね。再演を待つ。

クロス・ゲーム

2007年1月28日 読書
中野順一 文藝春秋。

図書館です。「セカンド・サイト」の隣にあったからなんとなく一緒に借りてみました。前回同様ミステリーですね。今回のは不思議な力を持ってる、みたいなファンタジー色はなくって、オンラインゲームが絡んだ話になっています。毎日のように会話をするのに本名も所在地もまったく知らない同士で交換殺人を、というネットの特殊空間を利用したトリックです。主人公はそのゲームを利用して遠距離恋愛をしていたわけなんですが、その彼女の本心すら見分けられず、実は彼女は幻のアイテムを手違いにより消してしまった彼に対する報復をたんたんと狙っていたという。私はヲタクではあるもののゲーマーではないので、ゲームアイテムのために「そこまでするか!」とか思っちゃいましたけどコレクターとしてはわからないでもない(笑)そんなん根に持つの大人気ないと思いつつもつい恨んじゃうんだよね…(苦笑)欲望とは心底恐ろしいのう。この人の文章は本当に読みやすくてですね、何にも考えないでだらだら読んでもさくっと終わっちゃう。時間をつぶすにはもってこいの本です。

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